【聴覚障害学】聴覚障害および難聴の主な原因について

難聴の原因について

今回は難聴の原因についてご紹介したいと思います。
聴覚障害の定義や種類については以前こちらの記事でご紹介しました。

一度こちらをごらんいただけますと幸いです。

聴覚障害の定義・その種類はどれくらいあるの?

先天性のものは遺伝や病気、発達異常などが考えられます

先天性の難聴では遺伝によるもの、妊娠中の風疹、
胎児期の発達異常による奇形などの要因が考えられます。

後天性のものは遺伝、病気、ケガ、副作用、騒音が考えられます

後天的には中耳炎や内耳炎、メニエール症候群といった病気のほか、
耳毒性を持つ薬物の副作用によるもの、点滴の副作用長期間にわたる重度騒音、

頭部への衝撃(頭蓋骨折)、精神性ストレスによる突発性難聴、
ヘッドフォンやイヤフォンの使用によって難聴となることがあります。

聴覚障害部位によって伝音性と感音性に分けられます

以前の記事「聴覚障害の定義・その種類はどれくらいあるの?」でもご紹介しましたが、聴覚障害はその原因となる部位の違いによって大きく2つに分けられます。

ここでもう一度おさらいしましょう。

伝音難聴とは?

鼓膜損傷、初期段階の中耳炎などに伴う難聴は「伝音性難聴」と呼ばれ、
手術や治療のほか、補聴器や人工内耳等によって支援することができます。

感音難聴とは?

一方で、脳腫瘍や突発性難聴、メニエール症候群などは「感音性難聴」と呼ばれます。
これは内耳から聴覚中枢(脳)に至る部位に病変があると考えられています。

聴覚障害はこの両方を伴うこともあるため、治療には補聴器などを併用しながら、
残存するそれぞれの聴力を生かしていくことが目的です。

「加齢性難聴」は感音性難聴と伝音性難聴の両方

一般的には老化に伴う難聴が身近な聴覚障害です。

お年寄りの方は耳が遠くなるといいますが、これを一般的に「加齢性難聴(老人性難聴)」と呼びます。原因は聴覚細胞が老化、減少することに伴う難聴で、治療法は現在のところはありません。

この聴覚細胞は年齢を追うごとに老化、減少していくことが知られています。もちろん人による個人差はあるものの、このように高齢になると高い音が聞こえにくくなります。

また、脳の働きが衰えることで聴覚神経からの情報がうまく理解できなくなるということも考えられます。このように加齢による難聴は、感音性難聴と伝音性難聴の両方による難聴であると考えられます。

聴覚障害を抱える著名人とその原因


聴覚障害を抱える著名人といえばベートーヴェン(全聾、耳硬化症が原因と考えられている)がまっさきに上がるかもしれません。

音楽家に聴覚障害を抱える人は意外と多く、チェコの作曲家で「モルダウ」で有名なスメタナ(梅毒が原因と考えられている)やピアニストのフジコ・ヘミング(一側性難聴、中耳炎が原因)もその一人です。

また、ギタリストのエリック・クラプトンは聴覚障害とめまいを抱えていることを公表しています。また、セリーヌ・ディオン、耳管開放症を患っており、点耳薬による治療と手術をしたことを公表しています。

また、現在放送されている、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」で主人公の楡野鈴愛(永野芽郁)は流行性耳下腺炎による、ムンプス難聴で、片方の耳が聞こえない一側性難聴という設定です。

「一側性難聴」は片側の耳が聞こえることから、全くきこえないよりは良いと思われがちですが、決してそうではありません。

音から距離を把握することが難しいことから交通事故の原因となったり、少し聞こえてしまうがゆえにほかの人が聞こえること前提で話しかけてしまう等、その状況があいまいであるがゆえに社会とかかわる際にトラブルがおきやすい難しい障害です。

また、1994年のミス・アメリカであるへザー・ホワイトストーンは両耳の重度難聴です。彼女の場合は、幼児期のインフルエンザ感染で生命の危機となり、脳障害を避けるために投与されたゲンタマイシンによる副作用により、両耳難聴となりました。

また、有名なヘレン・ケラーは生まれつき盲聾(目が見えず、耳も聞こえない)でありながら活躍した人物です。彼女は1歳半のときに猩紅熱に侵され、髄膜炎を罹患しました。懸命の治療の結果一命をとりとめたものの、聴力・視力を失いました。

その後、電話の発明者として有名なアレクサンダー・グラハム・ベルの紹介で、家庭教師であるサリヴァンによって、指文字、会話を学んだという話は有名です。

難聴の原因も多様、聞こえ方もまた人それぞれ

このように様々な原因で聴覚障害となることがあります。

聴覚障害は目に見えない障害のため、その苦労は聴覚障害者にしかわからないところがあります。原因も様々で、どこが悪いのかによってその聴覚障害の程度も聞こえ方も全く異なります。

あくまで補聴器は聞こえを支援するためのものであるため、感音性難聴の場合、単に音を大きくしただけでは明瞭な音声を認識することは難しいとされています。

聴覚障害であるから聞こえない、聴覚障害でありながらも聞こえていると考えるのではなく、その人の聞こえ方を詳しく把握した上で、求めている治療法や支援器具の設定、
必要なサポートを本人も含めて周りの人と一緒に考えることが大切です。

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