【聴覚障害者のあるあるトーク】Vol.11 「きこえ」のためにやっておいて良かったこと

はじめに

聴覚障害者が健聴者とコミュニケーションをとるとき、相手の言葉が聞き取れなかったり、上手に発音することができなかったり苦労することがたくさんあります。
今回は『「きこえ」のためにやっておいて良かったこと』というテーマのもと、健聴者とコミュニケーションをとりながら日々働いている みみなびメンバー が話し合ってみました。

「きこえ」のためにやっておいて良かったこと

音を意識して聞く

もものすけ

私がやって良かったと思うのは、レストランに行った時に流れているBGMを意識して聞き取ろうとしたことかな。
最初は親に言われるまでBGMが流れているってことも気付かなかったんだけど、意識し始めたら少しずつ聞こえるようになって、今なら知っている曲なら曲名も当てられるよ!
へぇ~、そうなんだ。
意識し続けることで聞こえない音が少しずつ聞こえるようになることもあるんだね。

かわちめ

もものすけ

小さい頃から きこえとことばの教室 で聴能訓練というものをやったからなのかな。
私の通っていた所は中々に厳しい教室だったんだけど、子供の頃は一生懸命頑張ってた。
今ならめんどくさいって思っちゃうかも…。
聴能訓練…。
僕、そういう非科学的なやつはちょっと…。

かわちめ

もものすけ

違うわ!
聴能訓練っていうのは、かすかに聞こえる音を聞いて、その音の違いを意識するっていう残存聴力を活かした訓練のことだよ。感性や勘を磨くっていうのかな。
イメージとしては、聞こえている範囲から聞こえていない部分を補う力を身に付けるという感じ。
僕も音や口話で相手の言っていることが全て分かるわけじゃないけど、直前の話の流れとか聞き取れた範囲から「多分こう言っているんだろう」って予想する。
それに近い感じなのかな。

かわちめ

もものすけ

そうそう、そんな感じ!
でも、一時期は聴覚障害者ばかりと手話で会話する環境にいて、久しぶりに健常者と会話したときに聴き取る能力が落ちちゃったなって感じた。
普段から使うような環境にないとだんだん下手になってくるよね。
最近は会社で健聴者の人と話す機会のほうが多いから、俺は逆に手話が下手になってきている(笑)

まずにき

もものすけ

今度はそっちかい!(笑)

健聴者との共存

もものすけ

少し話は逸れるかもしれないけど、中途難聴の かわちめ と まずにき は聞き取る能力が高いよね。
健聴者と話していて聞き漏れたところを「それってこういうことですよね」みたいな返しをして、そこでしっかり話についていけていることがすごいなって思った。

もものすけ

少し前に特別支援学校の先生とお話しする機会があって、卒業後そのまま就職する聴覚障害者の現状について聞いたの。その中で、聴覚障害を持つ子は社会に出た後にコミュニケーションの面で苦しむ子が多いと言う話をしていた。
就職前に職場体験のようなものはあるんだけど、1日や2日だけだと筆談や要約筆記の難しさや煩わしさを感じることなく終わってしまうらしいんだよね。そして、就職した後に予想していなかった困難に耐えられず地元に戻ってくる子がとても多いんだって。
難しい問題だけど、個人的には小学生の頃から健聴者の人と交流する機会を持つのが望ましいと思うな。
小学生ならきこえの違いとかを気にせずに関われるから比較的ハードルが低いし。

まずにき

もものすけ

そういうことなら、もっと大きくなってからのほうがいいんじゃない?
雰囲気で解決出来てしまう幼い頃よりも、中学校以降の複雑な話が出始めた辺りに健聴者と触れ合ったほうがいいと思う。
早めに始めるのはいいけど、高校生くらいまで続ける必要はあると思う。
子供の頃は行動で示す場面も多いけど、大人の世界は言葉で動いているから高校生くらいからより現実に近くなるんじゃないかな。

かわちめ

もものすけ

そういう機会をどうやって作るかという問題はあるけど、アメリカにあるギャローデット大学のような形なら解決できるのかな。あそこは健聴者と聴覚障害者が一緒に学んでいるからね。

もものすけ

あと、普通の学校にも情報保障がもっと必要だなって感じている。聴覚障害者だけじゃなくて、文章をすぐに理解することが出来ないADHD(注意欠如・多動症)の子供にも情報保障が必要なんじゃないかな。あとから資料を渡すとか色々できることはあると思うんだよね。

本を読む

元の話に戻るけど、僕がやっておいて良かったと思うのは本を読むことかな。
本を読むことで文章から相手の伝えたいことを読み取る力、自分の伝えたいことを文章にする力が身に付いたと思う。

かわちめ

さっきまで健聴者と上手くやっていくにはという話をしていたけど、話し言葉だけじゃなくて読み書きする力もすごく大事だと思う。
聴覚障害者の情報保障は文字にするものが多いけど、そこで本人に読み書きする力がないと十分に活用できない。

かわちめ

あまり読み書きの訓練は重要視されていないのかな?
聴覚障害者を持つ学生で、レポートの文章について教員の訂正や指導を受けても改善できなかった人もいた。

まずにき

もものすけ

私の知り合いにほとんど聞こえない人がいるけど、その人の日本語は完璧だったな。
映画を見たりコラムを読んだりすることが好きで、普段から文章に触れる機会が多かったからかも。
この間みみなびのニュースでも取り上げたんだけど、一部の特別支援学校だと新聞の読み方を指導しているところもあるらしいよ。

かわちめ

参考 新聞の読み方学ぶ 静岡聴覚特別支援学校生、手話交え記事感想も@S

ぷよし田

俺も高校生のときに新聞のコラムを書き写す授業があったわ。
特別支援学校じゃないけど、俺もあった。

まずにき

まとめ

途中で話が逸れてしまったところもありますが、今回のトークで出てきた「きこえ」のためにメンバーがやっておいて良かったことは下記の通りです。

  • 音を意識して聞く
  • 本を読む

音が聞こえないと諦めるのではなく、聞こえる範囲で努力すること、またはその代わりとなる力を磨くことが重要だと思います。
限られた時間の中でのトークなので今回は2つと少ないですが、また機会があれば同じようなテーマで話し合ってみたいと思います。

次回もお楽しみに!

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