有毛細胞の生成に密接に関係するタンパク質が発見される

ジョンズ・ホプキンス大学医学部の研究チームによると、

「アクチビンA」と「フォリスタチン」というタンパク質の働きが、
蝸牛の有毛細胞の生成に影響を与えていることがわかりました。

有毛細胞とは聴力を受け取るために必要不可欠な細胞で、
内耳の蝸牛にみっしりと存在しています。

老人性難聴や騒音性難聴など、聴覚障害の多くはこの有毛細胞の減少によって、
音を受け取ることができなくなることから生じます。

この研究では幹細胞から様々な細胞に分化する前の段階である、
前駆細胞から有毛細胞の変化時において、
その変化を制御している要因を特定することに成功しました。

マウスの胚を用いた実験の結果、
前駆細胞から有毛細胞に文化する際に先程ご紹介した、
「アクチビンA」の濃度の上昇、「フォリスタチン」の濃度の減少が見られました。

有毛細胞の形成にはこの2種類のタンパク質が、
適度にバランスをとりつつ、細胞を分化させることがが必要だということです。

実験ではアクチビンAを過剰に生成するように遺伝子を組み替えたマウスで、
未熟な有毛細胞が発生し、フォリスタチンを過剰に生成する遺伝子組み換えマウスで、
有毛細胞の数が減少したことがわかりました。

フォリスタチンの過剰生産が有毛細胞を混乱させる理由をより詳しく見ると、
このタンパク質のレベルが高いと前駆細胞がより頻繁に分裂し、
その結果より多くの細胞が無秩序に内有毛細胞に変換されることがわかりました。

現在のところこの有毛細胞の研究は、基本的な現象を解明したレベルではありますが、
損傷した有毛細胞による難聴の治療に応用できる可能性があると指摘しています。

また、将来的に先天性の聴覚障害など遺伝的な要因で有毛細胞がうまく育たない場合に、
ゲノム編集によってこの2つのタンパク質の調整ができるようにすることで、
内耳由来の聴覚障害を出生前に防ぐことも可能になるかもしれません。

参考 聴覚をつかさどる細胞を形成するタンパク質が特定される、聴覚障害治療に新たな可能性かGooニュース(GIGAZINE)

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