シニアが補聴器を使うようになる理由は何か重要か知ってますか?

補聴器を使っている人に共通する装用成功の理由

重度難聴の方にとっては日常生活に不可欠な補聴器

身体障害の一つである「聴覚障害者」として認定されるには、
難聴の中でも比較的重い症状がある方に限られています。

例えば聴覚障害者として身体障害者手帳6級に認定されるには、

  1. 両耳の聴力レベルが70dB以上のもの(40cm以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
  2. 一側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上のもの

という日常生活に明らかに支障をきたしているレベルでの難聴と言えます。

こうした聴覚障害者にとっては補聴器は日常生活に不可欠な装置です。
医学的に全聾(ぜんろう)とされる100dB以上が聞こえない聴覚障害者であっても、
その聞こえの程度は様々であり、補聴器を活用していることが多いです。

この理由は聴覚障害者認定の基準があくまで「純音聴力検査」によるものだからです。
純音聴力検査とはみなさんが健康診断で経験があるように、
「ピーッ」という高音の検査音が聞こえるかどうかで判定します。

しかし、よく考えてみてください。

日常生活でそのような「ピーッ」という音が聞き取れるかどうかは、
そこまで重要なことでしょうか。

それよりも日常生活で会話に支障をきたしたりすることが問題ですよね。
こうした言葉の聞き取りには「語音聴力検査」の実施が必要です。

重度難聴とされている方の中にもこの語音識別が比較的優れている場合は、
純音聴力検査で100dB聞こえなくても、補聴器を付けることで、
50~60dB程度まできこえが改善する場合があるのです。

よって、聴覚障害者だからといって全く聞こえないということではなく、
補聴器(人工内耳)を活用して日常生活を過ごす方がほとんどだといえます。

中程度の難聴者の方にとっても補聴器利用のメリットは大きい

オーストラリアのメルボルン大学の研究チームは、
補聴器を採用するという高齢者の決定に影響を与える要因を特定しました。

高齢者の補聴器利用に関する1990年から2010年の間に英語で発行された、
査読付きジャーナル記事内の抄録の文献をキーワードを使用して、
洗いざらいレビューをしたという研究です。

「聴覚障害*」「損失*」の「候補者*」「申請者*」「取得者*」
「補聴器*」「ヘルプ*」「アドバイス*」といった言葉が含まれる、
論文を抽出したと言います。

結果として22の記事がこのレビューに含まれていました。

結論として以下の場合、個人は聴覚障害の助けを求めたり、
補聴器を採用したりする可能性が高いことが示唆されました。

  1. 中程度から重度の聴覚障害および自己申告による聴覚関連活動の制限または参加制限がある
  2. より高齢者であること
  3. 聴力が悪いと感じているということ
  4. 補聴器の欠点より利点を感じているということ
  5. 聴覚リハビリテーションを支援する重要な他の人がいること

これらの結果は先日ご紹介したものとほとんど同じですね。

高齢者の補聴器利用を成功させるにはどんな要素を検討するべきか?

シニアの補聴器利用をより広げるためにできること

この研究では聴覚障害および補聴器の採用を支援するための障壁として、
かかりつけ医による高齢難聴の方々への管理が不十分であることが指摘されています。

聴覚リハビリを支援する人が近くにいればより成功可能性は高くなります。

かかりつけ医を巻き込んだ補聴器の利用支援ができれば良いのですが、
そうでなくても、補聴器販売店の専門知識等を活かして支援は可能です。

また、日本人は悲観的になりやすいとされていますが、
聞こえないということで悲観的になるよりも、
楽しいことを見つけることが大切です。

家族や友人との会話はもちろん、補聴器販売をする側も、
もっと来店したくなるような雰囲気や空間デザインを、
意識しても良いのではないでしょうか。

そして、できるだけいろいろな人と係るような仕組みづくりがあれば、
積極的に補聴器を活用できるようになるでしょう。

結果として友人や家族、夫婦同士で、
補聴器利用をポジティブに勧めることに繋がります。

Meyer, Carly, and Louise Hickson. “What factors influence help-seeking for hearing impairment and hearing aid adoption in older adults?.” International journal of audiology 51.2 (2012): 66-74.

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