キーンとする耳鳴りの原因とその治療法は?
聴覚障害者だけでなくても耳なりに悩む人はこんなに多い!
耳なりに悩む人は10人に1人もいる!
耳鳴りに悩む人はとても多く、一般的に10%〜15%の人が耳鳴りの症状を感じています。
また65歳以上の方の45%が耳鳴りを感じています。
これほど多くの方が「耳鳴りがする」と感じていらっしゃるのです。
耳鳴りが日常的に聞こえることで、寝れなくなってしまったり、
集中力が落ちてしまったりとクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)に影響する症状です。
実は、耳鳴りというのは病気ではなく症状であると言えます。
つまり、頭痛という病気ではなく風邪の症状としての頭痛と同じことです。
耳鳴りは耳に関する病気の合図なので要注意
そして、耳鳴りが突然きこえ始めたという人は一度耳鼻咽喉科の専門医の診察を受けてください。
なぜなら、耳に関連する病気の75%以上が、症状として耳鳴りを含んでいるからです。
耳鳴りは医学的には大きく2つの分類がある!
この「耳鳴り」には大きく2つに分けて「自覚的耳鳴」と「他覚的耳鳴」の2種類があります。
- 自覚的耳鳴(典型的には常に続く音で、ある程度の難聴を伴う)
- 他覚的耳鳴(典型的には脈拍に伴うか、断続的)
多くの方はきこえが悪くなるに伴い(難聴になるにつれて)、自覚的耳鳴を知覚します。
聴力が落ちることで、脳はその音を補おうと努力します。
その結果、脳の一部分が異常に活動してしまい、聞こえていない音を作り出してしまうのです。
これは、本人がきこえの悪さを自覚していない場合においても、
多くの場合聴力の低下に伴い、耳鳴りを知覚することが知られています。
そして、もう一つの他覚的耳鳴というのは、実際に耳の中耳付近で起きる生理学的現象により、
心臓の鼓動や血流などの発生した音が聞こえてしまうことです。
これは実際に血液が流れる音や心臓の鼓動の音がしているからこそ、耳鳴りがするので、
他の人もその原因を知覚することができる「他覚的」な耳鳴りであると言えます。
耳鳴りは人にはわからないからこそ解決するのが難しい症状
これまで説明してきましたが、自覚的耳鳴というのは実は「本当の音」ではない、
頭の中でつくりだした音であるのです。
そのため、耳が聞こえにくい人や聴覚障害のある難聴者が知覚することも多いのです。
しかし、聴覚障害者であるから耳鳴りがするというわけではありません。
聴力レベルによって、耳鳴りがする・しないというわけでもないという点が悩み深いところです。
それぞれの人の個性で、耳鳴りがする人もしない人もいるという前提で、
周りの人が耳鳴りに悩んでいた場合はまずは耳鼻咽喉科の専門医の診察を受けるよう勧めましょう。
聴覚障害の原因や程度の違いによっても感じる耳鳴りの音は違う
一方でその人の聞こえ方によって、異なる耳鳴りが生じることがわかっています。
例えば、加齢に伴う難聴や騒音による難聴の場合、一般的には高音から聞こえにくくなります。
その場合は「キーン」という高音の耳鳴りが多いと考えられます。
この理由は、蝸牛の音を感知するセンサーの役割をしている有毛細胞が破壊されるためです。有毛細胞は入口側が高音を感知しており、加齢や騒音に伴い、入口側から壊れてしまいます。
その他にも、耳鳴りの音には様々な種類があることが知られています。
自分の体から出る本当の音だけれども他人には外からはきこえないのが「他覚的耳鳴」。
本当は出ていない音だけれど自分の脳があたかも音が聞こえるように認識するのが「自覚的耳鳴」。
どちらも耳鳴りであるけれど、自覚的耳鳴の場合は人によって「聞こえる」「きこえない」も、
どんな音がするのかもそれぞれであるということを理解しておく。
参考
耳鳴の音色的表現についての臨床的検討J-STAGE AUDIOLOGY JAPAN
耳鳴りの原因は?
自覚的耳鳴は難聴が原因となって聞こえるみみなり
自覚的耳鳴の主な原因は以下のとおりとされています。
- 加齢による難聴
- 気圧変化による耳の損傷
- 騒音による耳の損傷(キーンという音がすることが多い)
- 中耳炎や内耳炎等の炎症
- メニエール病
他覚的耳鳴の場合は耳以外の病気が原因であることも
脈拍に伴い、耳鳴りがする場合(他覚的耳鳴)の主な原因は以下のとおりです。
- 硬膜の動脈と静脈の奇形
- 口蓋または中耳の筋肉のけいれん
- 頸動脈や内頸静脈の血流の乱れ
- 血管に富む中耳腫瘍(グロムス腫瘍など)
耳鳴りの原因は多くの場合、不明であることがあります。
特に自覚的耳鳴の場合、特定の音が聞こえにくくなっていることに伴うと考えられます。
耳鳴りの治療法と改善策
多くは聴力を補聴器等で補うことで耳鳴りが軽減する
一般的には、耳鳴りは難聴を伴うため、補聴器等を使用することで症状を緩和することができます。
補聴器の適切な使用により50%の患者さんが改善するとされています。
同様の理由でかつ重度難聴の場合、人工内耳を埋め込むことで耳鳴りが緩和されることがあります。
静かな状況では余計に耳鳴りを感じやすくするため、ノイズや環境音を意図的に聞くことも一つです。また、カフェインの摂取を控えることも一つの改善策とされています。
耳鳴りが原因となって精神的な憂うつ症状が出る場合もある
耳鳴りは脳の働きが原因であることが多いため、完璧な治療法はありません。
インターネットで調べた治療法や投薬を医師に依頼する前に、
耳鳴りの原因について医師の診察を受けて客観的に診断を受けましょう。
WIDEXのWebページでは耳鳴りの専門的外来を実施している医療機関を紹介しています。
すでに近所の耳鼻咽喉科の診察を受けて、まだ治らない場合は、
こうした専門医の在籍する医院を探して診察を受けることをおすすめします。
耳鳴りは日常的に音を伴うためことから騒音に近いストレスを感じます。
ストレスは耳鳴を悪化させるため、より一層苦痛が増す悪循環に陥ることも多いのです。
治療の際には、耳鳴りにより深刻な不安を感じていないか、
また抑うつ・不眠症状でないかなど、日常生活や精神状態を考慮した上で、
脳神経や別の病気との関係で耳鳴りを生じている可能性についても検討し、
耳鳴りを軽減するための方法を提案してくれる先生の診察を受けることが望ましいです。
これからも耳鳴りについての情報を発信していきます
Oh!みみなびでは同じような「きこえ」の悩みを抱える人が、
きこえに関する情報発信や様々な相談に乗るサービスを提供しています。
ぜひ、今後ともOh!みみなびのサービスをよろしくお願いいたします。