【お役立ち】手話と覚えかた
こんにちは、かわちめです。
本日は言語のひとつである手話についてお話したいと思います。
手話ってなに?
手話とは指や手を使って言葉を視覚的に伝える言語です。聴覚障害者や、その関係者たちが主に使用しています。
ただし、「聴覚障害者=手話が使える」という訳ではありません。他の聴覚障害者との交流がない、もしくは聞き取りや口話(こうわ)をメインにしているなどの理由で手話ができない人もたくさんいます。
最近は都道府県や市町村で手話言語条例が成立されており、手話が全国的に普及していくことが期待されています。
手の動きで言葉を読み取る手話に対して、唇の形や動きで言葉を読み取るものを口話(こうわ)と呼びます。
手話のように単語をひとつひとつ覚える必要はありませんが、人によっては口の形が読み取りにくいなど手話と比較して習得の難易度が高めです。
手話の種類
一言で手話といっても、その中で「手話単語」と「指文字」のふたつに別れています。
手話単語はその名の通り、手・指の形や動きがひとつの単語を示しています。
それ自体が単独でも意味を持つ、という面では漢字に近いイメージです。
一方、指文字は「あ」や「か」などひとつの言葉を示したものです。
手話単語が漢字であれば、指文字は平仮名のイメージです。単独では意味を持たず、いくつかの指文字と組み合わせてひとつの言葉を作ります。
手話単語はたくさんの種類がありますが、全てを覚えるのは大変ですし、産まれたばかりの言葉は決まった形がありません。そういった場合は指文字で伝えることになります。
その他、更に日本手話と日本語対応手話という種類もあるのですが、ここでは割愛します。
手話はどうやって覚える?
何も知らない状態から手話を覚える場合、どのようにして覚えるのが一番簡単なのでしょうか。
私自身も聴覚障害を持っていますが、同じ聴覚障害者の知り合いがいなかったため成人になるまでは手話を使えませんでした。その後、聴覚障害者との交流するようになってから手話を少しずつ学び、半年ほどで日常会話なら支障なくできるようになりました(でも下手と言われます…)。
そのときの経験に基づいて、覚えやすくなるポイントについて説明したいと思います。
ポイント1:手話はイメージと一緒に覚えるべし
手話は適当に「この言葉はこの形!」と決めているわけではありません。視覚で伝える言語なので、単語が示すものや連想するものの形を表しています。
例えば、先ほどの例であれば「男」はお父さん指とも言われる親指、「き」はキツネの形です。
このように、手話単語や指文字を覚えるときは形だけではなく、なぜそういう形になっているのかも一緒に覚えると覚えやすいです。万が一忘れてしまったときも、連想するものを思い浮かべることで思い出せることがあります。
ポイント2:指文字から覚えるべし
冒頭で手話には手話単語と指文字の2種類があり、指文字については「手話単語で説明できない場合の補足」とのように書きました。
ただ、日常会話レベルを目指すなら最初は指文字を覚えたほうがいいと(個人的には)思っています。逆に挨拶やお礼などの一言を言いたいだけであれば、手話単語ひとつふたつを覚えるだけで十分です。
日常会話レベルを目指す場合、指文字から覚えたほうがいい理由は下記の通りです。
- 全部の手話単語を覚えるのは無理。
知らない単語は指文字で一語一語表現するしかありません。
特に最初のうちは引き出しが少ないので、特定のものを示すときなどに指文字を多用します。 - その手話で通じるとは限らない。
自分が知っている手話単語を相手が知っているとは限りませんし、同じ言葉でも地域や年代による表現方法が違うこともあります。
一方、指文字は全国共通なのでほとんどの方に通じます。
以上の理由から、指文字をマスターしてから手話単語を覚えていくという流れが良いと思っています。
最初は覚えている手話単語が少ないので会話の大部分が指文字がになってしまうかもしれませんが、それでいいです。分からない単語は指文字で表現して、相手の手話を見よう見まねで覚えていけば上達していきます。
ポイント3:実践で覚えるべし
手話単語や指文字を扱った書籍や動画はたくさんあります。私も最初は適当な書籍で勉強しました。
ただ、結局は実践が一番の近道だと思います。手話は学ぶより、見て盗むべきです。
書籍では細かい動きや雰囲気までは分かりにくいですし、その中で扱っている手話もいくつかあるうちの表現のひとつに過ぎません。実際に手話を使用して会話をするほうが、書籍や動画をただ眺めているよりも上達が早くなります。
と言っても、周囲に手話を使える人がいない場合は中々実践の機会がないかもしれません。
そういった方はお住まいの地域で開催されている手話教室や、聴覚障害者が経営している飲食店などに足を運ぶことをお勧めします。手話に慣れている方の技を盗むチャンスですし、同じように手話を学んでいる人との交流のきっかけになります。
当サイトのニュースの「おでかけ」カテゴリでも聴覚障害者やその関係者のためのイベントについてまとめているので、そちらも参考にしてください。
ステップアップのポイント
一通り手話単語や指文字を覚えてきたら、表現方法についても意識してみましょう。
下記のポイントをおさえることで、より相手に伝わりやすくなります。
- 手話の速さや強さを使い分ける。
同じ「雨」という手話であっても、ゆっくり優しく表現するのと早く激しく表現するのでは相手が想像する雨は違ってきます。 - 表情豊かに。
手話に限った話ではありませんが、表情をつけて話すことで相手の共感を得やすくなります。話している内容に応じて表情にも変化をつけましょう。
まとめ
手話の学習方法は色々あり、「これが正解!」というものはないのですが自分なりに良いと思う方法をまとめてみました。
色々と書きましたが、結局のところは手話が上手な人と話して技を盗むのが一番の近道だと思います。
最初から上手な人はいないので、まずは失敗を恐れずにやってみましょう!