【イラストで解説】耳の仕組みと聞こえの仕組みって?わかりやすく解説します

わかりやすい耳の仕組み・聞こえの仕組み、そして音の仕組み

ぽんた

聴覚障害があるけれど、意外と知らない自分の耳について。なぜ聞こえるのか?どうやって聞こえるのか?耳の仕組み、きこえ方の仕組みについて知りたいな。

皆さんは自分の耳がどのようにして音を聞き取っているのかご存知でしょうか。
当たり前の動作ゆえにあまり意識したことはないかもしれませんが、
この記事では耳が音を聞き取る仕組みや耳の構造について分かりやすく説明したいと思います。

音がどんなふうに耳から入り音として聞こえるのか

耳がどのようにして音を聞き取っているのかについて考える前に、
そもそも「音」とは何なのでしょうか

その正体は、音がするスピーカーや声を出しているときの喉に触れてみるよく分かります。
ビリビリとした振動を感じると思いますが、その振動こそが「音」の正体です。

何かを叩いたり擦ったりしたときに空気中に振動が発生し、
これが耳に入り込むことで音として認識
されています。

振動の幅や回数によって、音の聞こえかたも違ってきます。

音の聞こえかた
  • 振動の幅
    • 振動の幅が大きい
      大きい音=空気の動きが大きい
    • 振動の幅が小さい
      小さい音=空気の動きが小さい
  • 振動の回数
    • 振動の回数が多い
      高い音=周波数が高い
    • 振動の回数が少ない
      低い音=周波数が低い


参考
音の波を目で見て、「振幅」「振動数」を理解しよう。超音波を操るコウモリの秘密も。Menon Network

では、耳に入り込んだ振動はどのようにして「音」として認識されるのでしょうか。

耳の構造

耳の構造は大きく3つ「外耳」「中耳」「内耳」からできています。

上図のように、耳の構造はその位置によって大きく3つに大別されます。

耳の構造
  • 外耳(がいじ)
  • 中耳(ちゅうじ)
  • 内耳(ないじ)

周囲で発生した振動は、外耳から中耳、内耳と順番に外側から内側へと伝わっていきます。
ここからは、これらの部位が持つ器官について詳しく説明していきます。

外耳

「外耳」(がいじ)は2つの部分からできています。
外耳とは耳の構造のうち最も外側の部分で、耳介(じかい)と外耳道(がいじどう)の2つからなっています

耳介

耳介は周囲の振動を集める役割を持っています。
私達が日常的に「耳」と呼んでいる部分ですね。

外耳道

外耳道は、普段耳掃除をする際に綿棒などを入れる部分で、振動の通り道となります
耳介によって集められた振動は外耳動を通り、鼓膜を通じて奥の中耳へと伝わっていきます。

中耳

「中耳」(ちゅうじ)は音を振動として伝える3つの部分からなっています。
中耳とは鼓膜から奥の部分のことをいい、耳小骨(じしょうこつ)、中耳腔(ちゅうじくう)、耳管(じかん)の3つからなっています

耳小骨は振動を鼓膜から内耳に伝える役割があります。

耳小骨(つち、きぬた、あぶみ)

つち骨、きぬた骨、あぶみ骨の3つからなる文字通りの小さい骨で、
外耳道から伝わった振動が鼓膜に当たると、鼓膜に接している耳小骨を経由して内耳に伝わります。

中耳腔

中耳腔は鼓室(こしつ)とも呼ばれ、鼓膜より内側の耳小骨が収まっている空間のことです。
耳管はこの中耳腔を鼻へとつながる空洞へと繋げており、
中耳腔内の空気圧を調整する役割を持っています。

内耳

「内耳」は音を神経を通して脳に伝える3つの部分からなっています。
内耳とは耳の構造のうち最も内側の部分で、音を感じとる蝸牛(かぎゅう)と
平衡感覚を感じ取る前庭(ぜんてい)および三半規管(さんはんきかん)の3つからなっています

蝸牛は振動を電気信号に変換して聴神経(ちょうしんけい)に伝える役割を持っています。

蝸牛

蝸牛の中はリンパ液で満たされていて、壁には無数の有毛細胞が生えています。
中耳から振動が伝わってくるとリンパ液が揺れ、
有毛細胞が電気信号に変換して聴神経に音を届けます。

こうして聴神経へ送られた電気信号が脳へと達することで、
私達は「音」として認識することができます。

マメ知識

蝸牛とは元々はカタツムリのことで、この器官の形状がうずまき状であることからこの名前が付けられました。

前庭

前庭は体の傾きを感知するための役割があります。
蝸牛と同じように有毛細胞があり、この有毛細胞の上に乗った耳石(じせき)というものが
身体の傾きとともに重力の方向へ傾くようになっています。

三半規管

三半規管は回転の速さを感知するための役割があります。
三半規管の中はリンパ液で満たされおり、身体が回転するとその動きに合わせてリンパ液が流れます。流れる方向から、前後左右など身体の回転を感知することができるのです。

耳の構造としくみのまとめ

少し説明が長くなってしまいましたが、簡単にまとめると下記のような構造をしています。

各器官の役割
  • 外耳
    • 耳介:周囲の振動を集める。
    • 外耳道:振動の通り道。
  • 中耳
    • 耳小骨:鼓膜の振動を内耳へと伝える。
    • 中耳腔:耳小骨のある空間。
    • 耳管:中耳腔と鼻へとつながる空洞を繋げる。
  • 内耳
    • 蝸牛:音を電気信号に変換して聴神経へ送る。
    • 前庭:体の傾きを感知する。
    • 三半規管:回転の速さを感知する。
音が聞こえるまでの流れ
STEP.1
外耳
耳介で集めた振動が外耳道を通って鼓膜に伝わります。
STEP.2
中耳
鼓膜の振動を耳小骨が蝸牛へと伝えます。
STEP.3
内耳
蝸牛で振動が電気信号に変換され、聴神経へ送られます。
STEP.4
聴神経から電気信号を受け取り、音として認識します。

音を聞くというのは、振動をバトンとしたリレーのようなものです。

それぞれの器官が正しく働いている間は音を聞き取ることができますが、
そのうちのどこかで問題が起こると聞き取りが難しくなってしまいます。
その症状が一般的に難聴・聴覚障害と呼ばれるもの
です。

おわりに

難聴・聴覚障害の原因は病気や怪我、年齢による衰えなど様々で、誰の身にも起こりうるものです。
Oh!みみなびでは身近な病気である難聴・聴覚障害をテーマとして取り上げていきます。

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