【必読】補聴器の選び方のポイント!補聴器販売歴40年の技能者にインタビュー!

ベテラン補聴器販売員の荒川さんに補聴器についてインタビューしました

補聴器ユーザーの頼れる相談役荒川さん

補聴器フィッターとして業界の技能向上に貢献してきたベテラン

荒川さん
東京都中央区神田にある「日本補聴器センター神田店 – 補聴器専門店ブルーム」で補聴器フィッティング歴40年のキャリアを持つ大ベテラン技能者。
現在もお店に立つ傍ら荒川区町屋にて「なないろ教室」というきこえと言葉の教室を運営しており、多くの聴覚障害を持つ未就学児童の支援をされています。

一番簡単な補聴器の選び方を聞いてみました

補聴器の選び方に正解はあるの?

ぷよし田

早速ですが、単刀直入に「補聴器の選び方を教えてください!」
補聴器の選び方ですか!
最も知りたい人が多くて、一番難しい質問ですね。
世の中には本も出ています。そしてたくさんの情報がインターネットで発信されていますが、宣伝のための記事であることも多いのですよね。
一般の消費者の方が内容が正しいことかどうか見極めるのは難しいんです。

荒川さん

ぷよし田

それでは「補聴器を購入したい」と思ったときどうすればいいのですか?
補聴器選びはまず信頼できる補聴器屋さんを見つけなければいけません。
正しい知識を備えた補聴器技能者を見つけて、フィッティング(補聴器を自分の聴力に合わせること)はもちろん、お値段といった話もしっかり納得して購入するということが一番大切です。

荒川さん

良い補聴器屋さんの見分け方はあるの?

ぷよし田

それでは「良い補聴器屋さんの見分け方」を教えてください。
補聴器の利点や欠点、その人の希望に沿えるか沿えないかという「事実」を正直に説明してくれるお店であることが大切です。
具体的にはお店で補聴器を探していると相談したときに、以下のポイントを満たしている補聴器技能者であるかどうかで判断できると思います。

荒川さん

良心的な補聴器技能者のポイント
  • 日常生活で何に困ってるのかをしっかりヒアリングしてくれる
  • 万能な補聴器はないということを伝えてくれる
  • 聴力検査を純音聴力検査(オージオグラム)だけでなく、
    語音聴力検査まで行い、かつ検査の説明までできる
  • 補聴器の値段について相談に乗ってくれて、納得行く説明ができる

ぷよし田

なんだか難しいですね。

「補聴器で聞こえるようになる」と言う補聴器屋さんはNG

補聴器を自分の耳に合うように調整することをフィッティングといいます

補聴器はフィッティングが不十分のままに購入してしまうと「思ってたのと違う」、「自分に合わない」ということが起こります
こうしたことがないようフィッティングの技能が高く、問題点をしっかり説明してくれる補聴器技能者で、購入前に試用してみることをおすすめしてくれるお店は誠実でしょう。
試用期間があれば、良くないところを感じた場合はその場面を補聴器技能者に方に説明して、その後の修正や対策、補聴器選びのやり直しなどをしてくれます。
本体やイヤモールド(耳掛け式補聴器の耳に入れる部分)の調整や修理などフォローまでしっかりしてもらえるようなお店は安心してお付き合いできると思います。

荒川さん

補聴器を買ったまま使っても聞こえるようにはならない?

ぷよし田

なるほど。補聴器をつければ聞こえるようになると思ってる人も多そうです。
良くそう思われる方が多いのですが、補聴器をつけたから若い頃のように聞こえるようになるということはありません。
それに、その人の聞き取る力や装着後の慣れによって大きく違ってくるんです。
全ろう(極めて大きな音でもきこえない)の人でも補聴器をつかうことで、かすかな環境音と口の形を見てコミュニケーションをとろうとする人もいれば、もう少し軽い重度難聴の人で補聴器を使えばある程度音を捉えることができても補聴器を使わない人もいます。
つまり、補聴器をつかうことですべての能力が回復するというのではなく、音を生活に活かすために技術的に最大限できることをした上で、それぞれの人が使い方を考えないとうまく使えないのです。

荒川さん

ぷよし田

確かに補聴器を買ってみたけど「うるさくて使えない」とか「きこえづらい」という話をよく聞きます。
あくまで補聴器は完全に聞こえるようになる魔法の道具ではなく、
他の人や環境音から情報を得て使いこなさないとうまく使えないということなのですね。
使いこなせるポイント
  1. 自分の難聴と補聴器でできることの限界をしっかり理解する
  2. 信用できる補聴器屋さんにベストな調整をしてもらえること

ぷよし田

2つが揃って初めて、自分も納得できるし補聴器の性能も最大限生かせるんですね。

補聴器をつかう人によって合う補聴器が違ってくる?

聴覚障害者にもいろんな背景がある

また、補聴器をつかう人の背景によっても適切な補聴器は変わってくるんです。

荒川さん

ぷよし田

それはどういうことですか?
例えば、加齢に伴う難聴で補聴器をお求めになる方と、生まれつき難聴の障害を持っている方では、全く変わってきます。
ご高齢の方で補聴器をお求めになる場合「若い頃のように聞きたい」というご希望が多いのですが、聴力というのは回復することはほとんどなく、高性能な補聴器を使っても昔のようには聞こえるようになりません。
テレビやラジオを楽しみたいという希望であれば、今はBluetoothという電波の技術を用いて、直接補聴器から音声を聞くこともできますのでこうしたものもおすすめすることができます。
また、生まれつきの聴覚障害者や幼児期に難聴になった方の場合、
どういう施設で、どのような療育を受けたのかも把握する必要があると考えています。

荒川さん

ぷよし田

なぜですか?
施設によって口話を重視するところや、手話を併用するところなど方針が様々です。
その子が今どのくらい聴力を使用しているのか、これからどのくらい聴力を使えるのかを、把握した上で、補聴器をどのように活用できるのかアドバイスすることが大切だと考えています。
子供によって発達の度合は変わってくるので、
進学についてもその子に合わせた環境を周囲の人が考える必要があります。

荒川さん

経験豊富な補聴器技能者の方ならベストを尽くしてくれるはず

ぷよし田

聞けば聞くほど補聴器選びの難しさを感じます。
一言で解決ができないのが「きこえ」の問題なんです。
大切なのはこうしたことを面倒くさがらず、
丁寧に説明してくれる補聴器販売店と付き合うことだと思います。

荒川さん

ぷよし田

そうですね。高い買い物なのですから、
自分で考えて買わないと使えなくてはもったいないですよね。
ありがとうございました。

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