【徹底検証】聴覚障害者に優しい動画配信サービスはどれ?vol.1

【徹底検証】聴覚障害者に優しい動画配信サービスはどれ?vol.1

【徹底検証】聴覚障害者に優しい動画配信サービスはどれ?vol.2

聴覚障害者でも映画やドラマが楽しめる時代

テレビのビデオ字幕は人力で付けるので大変!

聴覚障害者や難聴者が日常的に困ること、
それは「テレビや映画の字幕がついてないとわからない」ということ!

今では地上波放送のほとんどに字幕が付けられています。
テレビのリモコンの「字幕」オンオフ機能で簡単に字幕が見れますよね。

テレビ番組の場合は事前に編集が終わったビデオを、
字幕作成者がせっせと入力して字幕を作ります。

そのため字幕をつけようと思ったら、
「そのビデオの時間」だけ入力に時間がかかります。

だから放送の直前に編集が終わることの多いテレビ番組で、
字幕をつける時間というのは、
本当に「寝る間を惜しんで」やってるかもしれません!

ありがとうございます!

生放送の場合は手話通訳ならぬ入力オペレータが活躍

テレビ番組は基本的に事前に編集されますが、
生放送の場合はリアルタイムで字幕を作らなくてはなりません!
テレビを見ていると字幕が数秒遅れて表示されることもしばしば。

これは、テレビを見ながらオペレータが文字を打ち込んでいるからなのです。
字幕をつけるときは黒幕の字幕作成者さんの頑張りに思いを馳せてみては。

動画の字幕とクローズドキャプションって何が違うの?

最近良く見る「クローズドキャプション」とは?

最近「字幕」ではなく「クローズドキャプション」ということばを見ますよね。
これは一体どういうものなのでしょうか。

クローズドキャプションとは、
一言で言えば「障害者のためのオンオフ可能な字幕」です。

「それって普通の字幕放送と何が違うの?」

そう思われる方も多いかもしれません。
以前、みみなびでもクローズドキャプションについて取り上げた記事がありますが、
実は本当のクローズドキャプションというのはもっと深い背景があるんです。

https://ohmiminavi.co.jp/2018/07/31/%E6%84%8F%E5%A4%96%E3%81%A8%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E5%AD%97%E5%B9%95%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%80%80%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%97%E3%82%B7/

字幕とクローズドキャプションの違いはルールだけじゃない

クローズドキャプションというのは、その見た目だけを説明すれば、
「アメリカの障害者向けのオンオフ可能な字幕」です。

これだけだと「普通の字幕と同じじゃない?」と思いますよね。

確かに字幕と同じところもありますが、
アメリカのクローズドキャプションは、
単なる字幕よりももっと情報量が多い字幕になっています。

例えば、この場面を見てください。

映画「ローマの休日」

いわゆる「字幕」ですよね。
ナレーターの人の読んだことばをそのまま文字にしています。

この字幕があるだけで英語がわからない人は日本語で意味がわかりますし、
聴覚障害者にとっても内容がわかるようになります。

それではクローズドキャプションというのはどんな字幕なのでしょう。

例えばこの場面を見てください。

ケリー・マクゴニガル 「ストレスを友達にする方法」 https://www.youtube.com/watch?v=cyTZuxn5VBk

一見して分かる通り(笑)と書いてあります。

これは決してメインの登壇者が伝えたい内容ではないのですが、
海上が笑いに包まれたことが一見してわかります。

他にも「(音楽)」というクローズドキャプションや、
「(物音)」というクローズドキャプションも付いていることがあります。

要するに言語だけではなくその場の環境音、空気感といったものを、
できるだけ文字情報にして伝えるような配慮がされています。

聴覚障害者は聴力を失うことで会話が理解できないだけでなく、
音が入らないので状況を把握することができないことがあります。

このような非言語情報の重要性を認識してしっかり届けようとする点が、
日本の普通の字幕と米国のクローズドキャプションの大きな違いです。

ちなみに下の画像はTEDというイベントの動画で、
Youtubeの字幕サービスを利用しています。

アメリカのテレビ放送でも映画でもありませんが、
ちゃんとクローズドキャプションが付いているんですね。

聴覚障害者視点で選ぶ難聴者にもやさしいVODサービス

VODとはインターネットで視聴する動画配信サービスのこと

みみなびをご覧の方々には当たり前かもしれませんが、
VODとは「ビデオ・オン・デマンド」の略語で、
インターネットによる動画配信サービスのことです。

最近ではAmazon PrimeやHulu、Netflixが大手のサービスです。

このサービスはどれも「有料で動画を配信」しています。
その点においてYoutubeや普通のテレビ放送とは異なります。

どちらかというとケーブルテレビのインターネットバージョンです。
ただし、放送ではないので「自分の見たい動画だけ選んで」見れます。

例えば「ドラえもん」だけ見たいと思えばドラえもんを見れますし、
「米国で流行りのドラマ」を見たいと思えば、それだけ見れます。

録画等も不要で、見たいものをすぐ見れる点が人気です。

またインターネットの利点である視聴者の反応をすぐ見れる点を活かして、
オリジナルの番組を作成して放送しています。

これもまた地上波にはない動画配信サービスの大きな利点ですね。

なぜ聴覚障害者にVODサービスがおすすめなの?

近年では地上波放送にもほとんど字幕が付いているので、
普通にテレビを楽しめるようになりました。

しかし、「映画館には行かない」と言う人も多いのではないでしょうか。

映画が好きでも字幕がない場合はつまらないので、
自然と足が遠のいてしまいがちです。

そんなときは自宅で映画が見放題なVODサービスがいいんです。

自分の家で静かな環境で好きな映画を楽しめれば、
好きな俳優や監督の映画を思う存分楽しめます。

字幕の有無やクローズドキャプションについても選べます。

テレビも確かにおもしろいのですが、
あまり感心のないくだらない番組も見なければなりません。

それよりも、世界中で流行っているドラマを楽しんだり、
好きな映画をたくさん見たりしたほうが楽しいという方におすすめです。

実際に聴覚障害者視点でどのサービスが良いかご紹介する前に、
まずは日本でどんなVODサービスが人気なのか見ていきましょう。

日本でシェアの高い動画配信サービスはどれ?

2018年時点における有料動画配信サービス市場は1600億円です。
そのうちシェアのランキングは下のようになっています。

GEM Partners株式会社調べ(ニュースリリース

2018年VODシェアランキング サービス名 概要
1位 dTV NTTドコモの提供するVODサービス、月額500円で12万作品が見放題
ドコモのスマートフォン契約時に加入する人が多い
2位 Hulu VOD3強の1つ、米国では3位のHuluが日本ではシェア2位
3位 U-NEXT USENの提供するVODサービス、月額1990円で13万作品が見放題
また70冊の雑誌も読み放題
4位 DAZN スポーツ専門のVODサービス
ドコモと連携してDAZN for DOCOMOのサービスも提供
5位 Amazonプライムビデオ Amazonが提供する定額VODサービス
Amazon Premium加入者が無料で視聴できる
6位 Netflix VOD3強の1つ、米国ではシェア1位の人気サービス
Netflixオリジナルドラマが人気
7位 dアニメストア NTTドコモの提供するアニメ専門VODサービス
8位 ビデオパス auが提供するVODサービス、月額562円
9位 TSUTAYA TV TSUTAYAが提供するVODサービス、1万タイトル933円で見放題
10位 アニメ放題 ソフトバンクが提供するアニメ専門VODサービス、月額400円

1位は意外なところで「dTV」となっています。

日本ではドコモのユーザーが多いので、
契約時にdTVを無料で契約してもらい継続して利用している人が多そうです。

またHuluが2位につけています。
米国でのVODシェアではNetflix、Amazonプライムビデオについで3位ですが、
日本ではコンテンツ配信数に力を入れており、Netflixを上回るシェアです。

3位はU-NEXTです。
もともと無料動画配信サイトだった「GYAO」の後継者です。
日本人のみたいコンテンツを広く揃えておりシェアを持っていますが、
やはり3強VODに押されてシェアを減らしています。

4位はスポーツ専門チャンネルであるDAZNでした。
ここはスポーツに極めて強いVODサービスで根強い人気があります。
ヨーロッパのサッカーやJリーグの配信もすべて見ることができます。

5位がAmazonプライムビデオ。
こちらはAmazonのプライム会員が見れるVODサービスで、
Amazonを頻繁に使う人であればかならず元がとれるため大人気です。

6位にネットフリックスがランクイン。
Netflixは米国では圧倒的シェア1位の大人気VODですが、
日本では受け入れられるコンテンツがあまり多くないところが弱みです。

しかしながら、「テラスハウス」の続編などオリジナル作品を配信しており、
Amazonプライムビデオに負けない独自コンテンツが強みです。

聴覚障害者なら最低でも字幕が選択したい!

聴覚障害者でも楽しめるVODサービスを選ぶとしたら、
最低でも「字幕」が付いている動画が多いほうが良いですよね。

今の所、字幕が付いている動画というのは、
主に「洋画」や「アメリカのドラマ」になります。

残念ながら日本のアニメには字幕が付いていないので、
今回聴覚障害者でも楽しめるVODサービスからアニメ専門チャンネルは除外します。

いつかはアニメにも字幕がつくといいですよね。
個人的には漫画のように文字も迫力あると楽しいと思います!

ちょっと記事が長くなりましたので、次回、
「聴覚障害者視点でのおすすめVODサービスはどれ」か検証したいと思います。
ご紹介したいと思います!乞うご期待。

続きはこちら!

https://ohmiminavi.co.jp/2019/08/02/vod-2/

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