【解説】ウェブサイトにおけるバリアフリー(映像コンテンツ編)

ウェブサイトにおけるバリアフリー(映像コンテンツ編)

ウェブサイトの「バリアフリー」とは

皆さん、日々生活する中で何かしらのウェブサイトにアクセスしない日はあまりないと思います。
そうした中、障害者はウェブサイトへアクセスするにあたり、様々な障害を感じることがあります。
視覚障害の方がどのようにウェブサイトを閲覧しているかは、なんとなくイメージできる方が多いと思います。

では、聴覚障害者がウェブサイトにアクセスするにあたり、どのようなことが障害になるのでしょうか。
以下のようなコンテンツがウェブサイト上に埋め込まれた場合、聞き取りが困難なため情報が得られないことがあります。

  • 音声のみ映像やムービー
  • BGMや効果音

このような障害を取り除く施策の一つに、情報アクセシビリティという考え方があります。

情報アクセシビリティとは

アクセシビリティ(Accessibility)には、以下のような意味が含まれています。

  • 近づきやすさ
  • 利用のしやすさ
  • 便利であること

一般的には「利用者が機器・サービスを円滑に利用できること」という場合に使われます。

そして、今後増えていくであろう高齢者や障害者を含む、すべての人が容易に開かれた情報通信の世界へアクセスできる「情報アクセシビリティ」が求められています。

「情報アクセシビリティ」への取り組み例です。

  • ウェブサイト上の文字の大きさを自由に変えられる
  • 音声読み上げソフトで認識できるよう画像に代替テキストを割り当てる
  • 音声付き映像に字幕を割り当てる

音声を伴う映像コンテンツの取扱

先程取り上げたコンテンツのうち、前者についてはウェブサイト上で提供する場合、以下日本工業規格(JIS X 8341-3:2010)で定められた規定に沿って代替コンテンツを提供することが推奨されています。

同期したメディアに含まれている全ての収録済みの音声コンテンツに対して、キャプションが提供されている。

JIS X8341-3:2010 P7「1.2.2 キャプション(収録済み)の達成基準(等級A)」

同期したメディアに含まれている全てのライブの音声コンテンツに対して、キャプションが提供されている。

JIS X8341-3:2010 P8「1.2.4 キャプション(ライブ)の達成基準(等級AA)」

同期したメディアに含まれている全ての収録済みの音声コンテンツに対して、手話通訳が提供されている。

JIS X8341-3:2010 P8「1.2.6 手話(収録済み)の達成基準(等級AAA)」

MEMO

「同期したメディア」: 映像と音声が同期して流れるメディア、すなわち音声を伴った動画コンテンツのことを指します。そのため、BGMなど映像を伴わない音声コンテンツは上記の対象外です。
音声コンテンツのみの提供の場合については、別途規定がありますがここでは割愛します。


参考
日本工業標準調査会「JIS検索」で「X8341-3」と入力し参照

上記で言う「キャプション」とは、字幕のことです。
この規定に沿って映像に字幕を割り当てることで、聴覚障害者は健聴者と同じだけの情報を得られるようになります。

おわりに

今回は聴覚障害者を意識した情報アクセシビリティについて扱いましたが、日本工業規格(JIS X 8341-3:2010)には視覚障害者や肢体不自由者向けの情報アクセシビリティについても規定されています。

当サイトでも、情報アクセシビリティを意識したウェブサイト作りを心がけていますので、不満や要望などあればぜひご意見をお聞かせください。

1 COMMENT

スィーティ

高齢者、ウェブサイトに不慣れな人の情報アクセシビリティ
見慣れないカタカナ言葉に出会うと、たじろいでしまいます。
こちらも、勉強は必要だと思います。

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