【News】補聴器を初めて使って音を聞いた人がどれだけ感動するか

補聴器を初めて使って音を聞いた人がどれだけ感動するか

米国で難聴だった人が補聴器を初めて装用した話

「聞こえることという贈り物」というタイトル

RedditというアメリカのSNSサイトでとある人が、
生まれてはじめて補聴器をつけて音を聞いた体験をコメントしています。

「補聴器を付けて聞こえるようになったことを話すよ」とコメントしてから、
鳥の鳴き声、遠くで聞こえる牛の鳴き声、友人の歌う声など、
たくさんの日常にあふれる音に驚く様子がツイートされています。

バンドであまり上手ではないフルートに気づいたという話も

どうやらこの難聴者の方は大人で長年難聴者として、
補聴器を装用せずに暮らしてきたそうです。

合奏サークルにも所属しているようで、
補聴器をつけて初めてフルートがあまり上手ではないことに気づきました(笑)

聞こえについてあまり知らない人はこう思うかもしれません。

「難聴者や聴覚障害者は音が聞こえないのでは?」
「音楽はできないのでは?」

Redditのコメント欄にも同様の疑問が書かれていましたが、
実際はその認識は誤りです。

重度の難聴者のことを一般的には聴覚障害者と言いますが、
その聞こえ方は様々で、補聴器を装用すればある程度静かな場所であれば、
十分に音楽を楽しんだり、会話をすることができる人も少なくありません。

音楽についても同様で、かすかに聞こえる音を頼りに楽器を演奏したり、
スピーカーの振動を元にダンスをする聴覚障害者もいます。

https://ohmiminavi.co.jp/2019/08/15/dance/

みみなびのメンバーも学生時代はダンスを楽しんだそうです。
また、ピアノやバイオリンを演奏できる聴覚障害者も意外といるようです。

コメント欄には若い人に聴覚保護を訴える難聴者も

騒音による難聴によって26歳で聴覚障害者になった例

この投稿には多くの難聴者、聴覚障害者の方が共感し、
たくさんのコメントを残しています。

その中に26歳の聴覚障害者の方のコメントが目に止まりました。

時間を遡ることができたら、私は自分を平手打ちします。
私はコンサートで多くの時間を費やし、スピーカーに近づきすぎて聴覚保護がありませんでした。
私は現在26歳で、すべてのテレビ番組や映画に字幕が必要です。
人々に頻繁に繰り返すように頼まなければなりません。
多くの場合、私は理解して「うん」とうなずく、または言うふりをします。
耳鳴りがないということは奇跡です。

ここの誰かが10代の場合、あなたの聴覚があなたが思っているよりも、
ずっと速く行くのであれば、私はとても真剣です。音楽を愛する人のために、
コンサート、レイブ、その他の大きなイベントで耳栓を着用してください。

音楽好きの若者と思われる方ですが、
音楽フェスでスピーカーの前にいる時間が長すぎたようです。

すでに騒音により不可逆的に細胞が損傷してしまい、
聴力が回復できなくなってしまったことへの後悔がコメントされています。

音楽フェスやクラブは確実に耳に悪影響があります

私も音楽が好きですが、フェスやレイブ(ダンスミュージックのイベント)は、
驚くくらいの音量で演奏されていることがしばしばあります。

会話ができないくらいの音量というのは80デシベル近い音量ですから、
電車のガード下やクラクション、場合によっては飛行場に居続けることと同様です。

ぜひ、耳栓を使うことで少しでも耳への損傷を抑えることをおすすめします。

初めて補聴器をつけたときの驚きと戸惑い

小さいときに補聴器を付けるとどう感じるのか

補聴器や人工内耳は音を増幅し、それぞれの聞こえにあう調整を施すことで、
できるだけ多くの音声情報を届けることを目的にしています。

難聴があることが生まれつき、もしくは幼少期に分かった場合、
可能な限り早い段階で気づくことが大事とされていますが、
実際に小さい頃に補聴器を付けるとどのように感じるのでしょうか。

聴覚障害のあるもものすけに聞いてみました。

もものすけ

私は初めて補聴器をつけたときはとてもびっくりして、しばらくその音の世界に浸っていたよ。

他の子供は補聴器を嫌がったりすることもあると聞きますが、
もものすけの場合はすんなりと音という情報を受け入れられたのかもしれません。

音が聞こえるということに感動する?

今回取り上げた難聴者の方のように、初めて補聴器を使い、
世界にあふれているいろいろな音に初めて気づいたという人はたくさんいます。

医学的な全聾とされる最重度の難聴者は補聴器を装用しても、
音を捉えることはとても困難ですが、
近年では人工内耳により、これまで困難とされてきた最重度の難聴者に、
音声情報を届けることは技術的には可能になりつつあります。

周囲の人がなぜ笑っているのか、
犬が何を訴えようとしているのか、
自然の音というのはどういうものか、

生きている中で何気なく聞こえる音を意識することはありませんが、
聞こえない人にとってはとても気になる情報になります。

特に家族や友人が会話をしたり、
テレビや映画で笑ったり、泣いたりしているときに、
自分だけが理解していないように感じる孤独感は聴覚障害者にしかわかりません。

聞こえるということの喜びと受け入れることの大切さ

補聴器をつけたときに世の中が意外と「うるさい」ものであるということ、
人の声や草木の音、虫の声などなど音で溢れていること、
そんな当たり前のことに気づいたときに感動するのかもしれません。

そしてなにより、いろんな人ととコミュニケーションができること、
そのハードルを下げてくれるツールが補聴器や人工内耳です。

もちろん、補聴器を使っても完全に聞こえるようにはなりません。
そのために「自分はだめだった」と落ち込む人も多いようです。

しかし、そのチャレンジは決して無駄ではないと思います。
大事なのはその上で自分がどのようなことに喜びを感じるのかを知ること。

自分のできることやできないことを知ることは大切なことです。
例えば、難聴に気づいていない人や受け入れられない人は、
それなりに苦しみを抱えていることがあります。

自分でもどうしていいのか分からない状態は、
何も先に進めないためにとてもつらい状況です。

少なくともそれよりは自分のことを知ることができたということです。

その上で自分がこの世界とどのように関係を持っていきたいのか、
人に優しさや愛を与えられるのかを考えたときに、
何気ない日常の喜びやありがたみにも気づくのかもしれません。


参考
「補聴器を初めて使った。何が聴こえるようになったか、みんなに話すね…」感動を呼んだツイートらばQ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です