聴覚障害者が公共交通機関を利用するときの不安・不満
電車やバスの公共交通機関を使用していると、聴覚障害者ならではの不安と不満を感じることがあります。
今回は聴覚障害を持つ二人が、交通機関を使用しているときに感じる不安と不満について話し合ってみました。
電車
遅延・運休時の対応
かわちめ
出勤時などで急いでいるときに、どうすれば目的地に一番早くつくのか判断できないから・・・。
振替輸送を実施していてもすぐには電光掲示板に出ないし、どこで乗り換えすればいいのかも分からない。
もものすけ
かわちめ
出勤時に遅延や運休が発生したときは、そのまま待つことの方が多いなぁ。
フレックスが使える職場だから、遅刻してもそこまで問題にならないってのもあるけど。
もものすけ
かわちめ
でも、僕の駅では改札にしか置いてなくて、1回ホームに行くと見れなくなってしまう・・・。
便利だから外からも中からも見れる場所においてくれると嬉しいな~。
乗車中の緊急停止
私はある程度は聞こえるんだけど、車掌さんによっては聞こえにくい人もいる!
もものすけ
かわちめ
もものすけ
有人窓口でのコミュニケーション
かわちめ
もっと細かく聞いたりしたいと思っても、後ろで待っている人がいること考えると中々ね・・・。
受付の人も、もっと余裕があれば・・・という気持ちはあると思う。
もものすけ
かわちめ
また、駅員とのコミュニケーションで聴覚障害者側が遠慮してしまうこともあります。
バス
料金の先払い・後払い
かわちめ
とりえず乗って、乗った場所からの料金が電光板に表示されるから、降りるときはその通り払うだけで終わるしね。
都内では基本的に料金が均一で、降りるときの障害者割とかで運転手との会話なくて済むし。
もものすけ
かわちめ
僕は先払いでは運転手に行き先を伝えてから支払うんだけど、そこで行き先を聞き間違われたりして会話が始まるのが怖い!
もものすけ
かわちめ
僕は都内じゃないからか、先払いでも行き先によって料金変わるんだよね。
だから最初に行き先を運転手に伝えないといけないみたい。
もものすけ
羽田空港行きのバスに乗ったとき、その手前で降りるはずが運転手さんに伝えた行き先を「羽田空港」と聞き間違えられてしまった。提示された運賃に疑問を持つも、後ろで待っている人に遠慮して余分に支払うことに・・・。
かわちめ
バスでも、時と場合によって会話が発生することがあります。
会話が発生すると、後ろで待っている人がいたり他の乗車客がいるため
聴こえなくても何回も聞き返しづらく、聴覚障害者はよく分からないまま
提示されるがままの運賃を支払っているときがあります。
また、運転手さんによってはマスクを着けている方も多いため聴覚障害者にとって難関な公共機関のひとつになります。
解決策として、
- 聴覚障害者側があらかじめ行先をスマートフォンで提示する。
- 自分は耳がきこえないことを提示する。
タクシー
行き先と経路
「どのルートで行きますか?」とか「どこで曲がりますか?」とか、何か言っているのは分かるから余計に煩わしいね!
もものすけ
かわちめ
最寄り駅からなら自宅まで2回しか曲がらないから、「曲がる時が来たら声をかけるので、それまではずっと真っ直ぐお願いします」って言う。
もものすけ
かわちめ
スマートフォンで目的地にピンを打って、それを運転手と共有みたいなシステムがあれば楽になりそうだけど。
運転中の会話
頑張って返事しているんだけど、あんまり聞こえていないんだけど頑張って合わせてる笑
もものすけ
かわちめ
手話もそうだけど、フリとか雰囲気で相手に伝えるのも一種のコミュニケーションじゃないかなぁ。
もものすけ
タクシー車内では、基本的に会話が必須になりますが、
工夫によって出来る限り会話を最小限で済ますことが出来ます。
タクシーはカーナビも標準装備のため、住所を見せることで確実に目的地まで辿り着くことが出来ます。
ただ、お話し好きの運転手さんにあたったときは・・・。
運転手さんの声質にもよりますが、低い男の人の声が聞きづらいもものすけにとっては地獄です。
飛行機
搭乗時のアナウンス
ファーストクラスとか身体障害者から優先で搭乗するけど、間違えてそのタイミングで並んでしまうとかね。私はエコノミーなのに笑
もものすけ
かわちめ
飛行機は全席指定だから、早めに並ぶ意味もあまりないしね。強いて言うなら、頭上のトランクのスペース争奪戦か。
飛行中のCA
人数の割合もあるんだろうけど、サポートが必要な人には助かるね!
もものすけ
かわちめ
内容は些細なことだったけど、気遣いがうれしかったな。
飛行機は、他の公共機関と比べてサービスの質をうりにしていることもあり
マイノリティな障害を持つ方に対しても手厚く対応してくださることが多くあります。
そのため、上記のようにかもんちが経験したメモを持ってきてくださることもあるため、あまり不自由を感じたことは両者ともありませんでした。
アナウンスを除いては・・・。
最後に
まだまだ改善が必要なところはたくさんありますが、相互に歩み寄らないと何を欲しててどういうことが出来るかというお互いの認識がかみあっていないところがあるように感じます。
こうしたことが解決することが出来れば、さらにお互いにとってより良い世の中になっていくでしょう。
函館の路面電車には、外国人用の停留所のリストのカードが運転席脇にありました。
たぶん、それを指差して料金の支払いをするのでしょう。
こういう会話が交通機関に携わる方たちの目に留まるといいな!