【解説】聴覚障害の定義とは?どういう種類がある?調べてみました

聴覚障害の定義・その種類はどれくらいあるの?

聴覚障害の定義ってそもそも何?

聴覚になんらかの問題があり聴こえに不自由を抱えている状態をさします。

まったく聞こえない(ろう)人もいれば、かろうじて聞こえる人(高度・重度難聴)、聞こえにくい人(軽度・中度難聴)もいます。

一般論として聴力レベルが落ちるにしたがって言葉の聞き取りも難しくなりますが、人によってその程度はさまざまなので、聴力レベルだけで必ずしもその人とコミュニケーションが取れるのかどうかはわからないといえます。

なお、一般的には身体障害者福祉法第4条に基づく身体障害者障害程度等級表に基づく、身体障害者手帳交付基準に該当する人を「聴覚障害者」と呼ぶことが多いです。

聴覚障害には先天性と後天性があるが原因はさまざま

聴覚障害にはさまざまな原因があります。
先天性(生まれつき)のものや後天性(中途失聴)のものがあります。

お母さんのおなかの中にいるときに、お母さんが病気にかかり子供が生まれつき聴覚障害であったりするものなどが先天性。

音楽をいつも大音量で聴いていることが原因で聞こえにくくなることがありますが、
こうしたものは後天性といわれます。

原因はさまざまですが、聴覚障害のポイントは(ほとんどの場合)失った聴力は戻らないというところになります。

耳だけの問題ではなく、脳の神経だったり要因が複雑なことが問題になっており、現在の最先端医療でも聴覚についてはほとんど解明されていません。

聴覚障害の分類と種類について

次に聴覚障害の医学的な分類・種類分けについて学びましょう。

  • 感音性難聴(かんおんせいなんちょう)
  • 伝音性難聴(でんおんせいなんちょう)
  • 混合性難聴(こんごうせいなんちょう)

難聴には大きく分けて3つの種類があります。

感音性難聴は耳の奥のほうに原因があると考えられる

感音性難聴とは
感音性難聴とは、聴覚障害の種類の中でもっとも多くの割合を占めています。
内耳に問題がある場合は、こちらの分類になります。
このタイプの難聴は、耳に問題があるだけでなく
脳の神経などに問題があったりなどして原因がほとんど分かりません。
イメージとしては、元から持つ音の大きさが小さいことに加え
「あ」の形が不安定なことが多く、補聴器を装着した場合でも
音として聞き取れても言葉として認識をすることが困難になります。

【イラストで解説】聴覚障害とは?聴覚障害者がわかりやすく説明します

伝音性難聴は耳の入り口から中ほどまでに原因がある

伝音性難聴

伝音性難聴とは、感音性難聴に次ぐ割合を占めています。
外耳から中耳にかけて問題がある場合は、こちらの分類になります。

このタイプの難聴は、耳の形や器官に問題があることで起こります。
イメージとしては水の中や耳を塞いだときのような聴こえ方になります。

「あ」の形は、安定しているため補聴器で聞く音の大きさを上げることで
日常生活には問題ない聴こえを確立できる可能性が大きいものになります。
(原因にもよりますが、補聴器で必ずしも解決出来るわけではなく
耳の奇形の場合は補聴器の装着が難しい場合もあります)
また、こちらの難聴は手術や投薬によって治すことが出来る場合があります。

混合性難聴は感音性と伝音性の両方ある

混合性難聴

混合性難聴は、3つの中では一番珍しい難聴になります。
感音性難聴と伝音性難聴の両方の症状がある難聴です。

混合性難聴には様々なものがありますが、
代表例としてはいわゆる老人性難聴といわれるものが挙げられます。
ちなみに老人性難聴という難聴の種類は医学的には存在しません。

こちらは、外耳および中耳と、内耳どちらにも原因があるタイプになります。
感音性難聴の症状が強いか、伝音性難聴の症状が強いかは人それぞれになります。

聴覚障害の種類は上にあげた3つのものがあります。
一番、多い割合を占める感音性難聴は治療法も確立しておらず
原因がほとんど不明な難聴になります。

聴覚障害者というのは身体障害なの?

外見からは分かりづらいですが身体障害の一つです

これまでの学びから聴覚障害になった時期で「先天性難聴」と「後天性難聴」に分けられ、その障害部位で「感音性難聴」「伝音性難聴」「混合性難聴」の3つに分けられます。

聴覚障害は体の一部である耳や聴力に関連する部位の障害であるため、見た目にはわかりにくい障害ではありますが「身体障害」に区分されます。

聴覚に問題があり、聞こえに不自由な状態を聴覚障害とすると、
軽いものから重いものまで人それぞれ程度は異なりますが、
一定の基準を上回る障害であると認定された場合は、
各都道府県から「身体障害者手帳」の交付がなされます。

聴覚障害のある場合の身体障害者手帳交付基準

身体障害者手帳の交付基準については別の記事でご紹介していますので、
ぜひご参照ください。

【解説】聴覚障害・難聴の方の身体障害者手帳申請の手続きって?

聴覚障害は片耳だけの場合もあるの?

原因によっては一側性難聴ということもある

聴覚障害は必ずしも単純に「耳がきこえない」状態だけを指しているわけではありません。

「ムンプス難聴」と呼ばれるおたふくかぜの後遺症として現れる難聴症状は、多くの場合片耳のみに起こることが多いようです。(まれに両耳が難聴になることもあります)

一側性難聴の場合の身体障害者手帳交付基準

このような場合は片側のみのという意味で「一側性難聴」といいます。
身体障害者手帳の交付基準でも6級の交付基準に以下の記載がされています。

一側耳の聴力レベルが90デシベル以上,他側耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの

つまり、片耳が重度の難聴でもう片方も中度の難聴である場合は、
身体障害者手帳6級に該当する可能性があります。

聴覚障害の種類や分類についてのまとめ

  • 聴覚障害は聴覚になんらかの問題があり聴こえに不自由を抱えている状態
  • 先天性(生まれつき)と後天性(中途失聴)がある
  • 感音性難聴、伝音性難聴、混合性難聴の3種類がある
  • 聴覚障害は身体障害のひとつ
  • 厚生労働省の身体障害者交付基準に該当した場合身体障害者手帳を受け取れる
  • 片耳のみが難聴の場合、一側性難聴という

もものすけのつぶやき

補聴器も、日々技術の発達により性能のよいものがたくさんありますが
人間の神経や、元からある能力以上に性能がいいものは(まだ)ありません。

人間の耳は、聞きたい音や聞きたくない音を
無意識のうちに聞き分けているといわれています。

いつか、医療の発達により難聴が消える日がくるのでしょうか。
また、人間の神経と同レベルの補聴器がうまれるのでしょうか。

これからの人間の可能性に期待です。

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