【解説】聴覚障害者を受け入れるときの接し方・話し方とは?ポイントをあげます

聴覚障害者を受け入れるときの接し方・話し方のコツ

ぷよし田

学校や職場に聴覚障害のある人を受け入れる際の接し方や話し方について紹介します。

接してみてその聴覚障害者がどんな人かを知ろう!

合理的配慮の努力にはハードよりもソフトが重要

会社などで聴覚障害者を採用する際は障害者差別解消法に基づく「合理的配慮」が必要です。合理的配慮とは以下の通り定義されています。

「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」

しかし、現実に聴覚障害があると言われていてもどんな人なのかイメージすることは難しいですよね。そのため、障害の程度を把握するのに、聴覚障害者手帳の等級を参考にされる方も多いと思います。

ただ聴覚障害の場合、その障害の等級ではその人の障害の程度と業務遂行の可否を推測できません。

一般的に重度身体障害者に認定されている方は、自分以外の介助が必要など重度であることが明らかであることが多いのですが、聴覚障害は等級から判断するのが難しい障害です。

身体障害者手帳2級で「ろう者」と呼ばれる生まれつき聴力がなく手話を言語として使っている人であっても、補聴器を着けていたり、口話や読話ができたりすることもあれば、身体障害者手帳6級で中度難聴と認定されていてもうまくコミュニケーションが取れない人もいます

聴覚障害者を職場に受け入れる際に気をつけるべきポイント

それでは、どうやって職場などに受け入れれば良いのかと言うと「面接時にしっかり要望を伺い、様子を見て判断する」ことが大切です。安直に等級だけでは判断してはいけません。
障害者採用をされる際に聴覚障害者と面接するときは、①あらかじめ仕事上考えられる問題を挙げ、②始めて会うときにどの程度の障害なのかを確認し、③本人が配慮として何を求めているかということをヒアリングしましょう。
このときに本人が自分の障害についてあまり理解していない場合などは「配慮はいりません」と言うかもしれませんが、どれだけ強い意思がありそうでもこれを鵜呑みにするのは危険です。
「こういった配慮はが提供できるが使ってみないか」などこちらから提案すると良いでしょう。
面接を通して能力や人物に納得した場合は、会社としてどういった配慮が提供できるか、職務を変更することで解決できそうかなどの内部的な事情を勘案の上、採用の可否を決めます。
この時、聴覚障害者によくあることとして、面接時は静かな環境で行われるので会話に問題がないと判断されても、入社してみたら職場が騒がしかったりしたために聞き取りが困難になることもあります。
この場合は、周囲の人の配慮や筆談ツールなどを補助的に利用することでうまく仕事ができることもあります。また、電話応対ができないなど他の人の負担になることもありますので、人間関係的にもうまく業務を分担できるよう根回しが必要です。
また、聴覚障害者として身体障害者手帳を持っていたとしても、これまで家族や学校など健聴者と過ごしてきた人にとっては、聴覚障害者であるということをあまり知られたくなかったり、そもそも障害のことを気にしていなかったりすることもあります。
民間企業等は障害者に対して「合理的配慮の努力義務」が課されており、国や地方自治体は「合理的配慮提供の義務」が課されていますが、例えば聴覚障害者を雇用するとなったときに、必ずしも手話通訳が必要になるわけではなく、その人それぞれに必要な配慮が異なることを知って頂ければと思います。

聴覚障害者との接し方・話し方

基本的な聴覚障害者との話し方

これまでOh!みみなびでは繰り返し聴覚障害者といっても千差万別であることを申し上げてきましたが、「多くの聴覚障害者がこうしてくれると助かる」と考えられる接し方・話し方をご紹介します。

必ずしも「手話を覚えないといけない」というわけではありません。少なくとも以下のことを意識しているのとしていないのとではかなり伝わり方が大きく変わってきます。

  1. 口元が見やすいようにマスクは外し、横からではなく正面から話す
  2. 単語のメモやジェスチャーなど追加的な視覚情報で理解を助ける
  3. ハイコンテクストな会話にならないようゼロから説明する

普段は、気心知れた人たちとハイコンテクストなコミュニケーションをしてしまっていることが多いので、聴覚障害者にしっかりと理解してもらうにはすこし努力が必要かもしれません。

しかし、障害の程度も本人の意欲などもそれぞれ異なるので、最初から諦めずに「これはできそうだ」と思う仕事があれば積極的に挑戦させるとモチベーションが上がり、結果的にマネジメントの戦力として育ちます。

よくある疑問:「聴覚障害者は話せるの?」

口話と読話の訓練を受けている人が多いため話せる人が多いです。しかし、発話に支障があり聞き取れないことはあります。

音声による発話は困難であっても知的障害や精神障害とは異なり、本人の知力や思考力はあるため、チャットを利用したり、直接筆談で会話するなど代替手段があるとスムーズに伝わります。

おわりに

聴覚障害者として身体障害者手帳を交付されている人の多くは「健聴者と比較して日常生活に支障をきたすレベルで障害を持っている」ということになります。

身体障害者の更生援護を目的とするものであるが 、この場合の「更生」とは必ずしも経済的、社会的独立を意味するものではなく、日常生活能力の回復をも含む広義のものであること。

法律上は「更生」とされていますが、その意味は「精神的、社会的に、また物質的に立ち直ること」です。現時点での医学では聴覚障害が回復するということありませんが、精神的・社会的な面ではもっと社会に貢献できる人材が眠っていると思っています。

特に人間関係という点ではハイコンテクストな会話についていけないために孤立・自信を失いがちなので、聴覚障害者の能力を十分に活かせる職場に変えていけるよう、合理的配慮としてハード面でできることだけではなく、周囲の理解を得て職務分掌を柔軟に変更ことも必要です。

こうした変化は会社内でも反発されることがあるため全社的な経営改革や「働き方改革」の一環としてこうしたダイバーシティ推進の取り組みを取り入れてみてはいかがでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です