【体験談】会社での不便って?職種の違う2人が感じる会社での5つの不便

職種の違う2人が感じる、会社での5つの不便

はじめに(自己紹介)

会社で健聴者と一緒に仕事をしていると、聴覚障害者ならではの不便さを感じることがあります。
今回は、聴覚障害持ちで、かつ職種の違う2人が「会社で感じる不便さ」について話し合ってみました。

まずはじめに、2人のプロフィールです。

かわちめについて
・20代後半 男
・プログラマー、都内勤め
・聴覚障害 両耳ともに105dB
・最近は、仕事に対して若干マンネリ気味

かわちめ

なんか面白いことないかなぁ。
もものすけについて
・20代後半 女
・企画部門(経理契約)、都内勤め
・聴覚障害 両耳ともに100dB
・最近は、仕事も板についてきており更なるステップアップを目指す反面アーリーリタイア希望

もものすけ

のんびりしたい。バカンスしたい。

ケースごとの不便さについて

ここからは、2人が会社で不便だと感じていることについて紹介します。
相手の人数や関係性によって5つのケースに分けました。

マンツーマンでの打ち合わせ

仕事の内容に関して詳細に打ち合わせを行う場合、内容を聞き逃してしまったり、誤って解釈してしまうことがあります。

もものすけ

私は声である程度は聞き取りができるんだけど、人によって聞こえにくい人がいる。
聞き返すのが1回や2回だけならいいけど、何回も繰り返すとお互いに嫌になってくるんだよね。
何回もお願いしにくい、って気持ちはよく分かるな。
相手の負担になってて、申し訳ない感じがする。

かわちめ

もものすけ

それで、自分の解釈で作業して提出、相手から指摘されて修正みたいなトライ&エラーを繰り返すんだけど、無駄な作業をしてるって感じる。
話をする相手によって仕事のクオリティに差が出るんだよね。
僕の場合は口の形を読んで、どうしても分からないときは筆談をお願いする。
でも、書き込み量とか、字そのものの綺麗さとか人によって差があるんだよね。
結果的に相手によって仕事のクオリティが上下するってのはすごい分かる。

かわちめ

もものすけ

でも、悪いことだけでもないよね。
「相手はこういうことを言いたいんだろうな」って想像しながら仕事をしていたら、相手の期待+αの成果を出せるようになった!
2人のまとめ
聞き取りでも読み取りでも、何度も聞き返すことに遠慮して自分の解釈で仕事をしてしまうことがある。
その反面、相手の気持ちを読み取ろうとして想像力が培われるきっかけになることも。

多人数での打ち合わせ

多人数で行う会議・打ち合わせは、聴覚障害者にとってハードルが高い傾向があります。マンツーマンで会話をする場合と異なり、様々な方向から声がすることで聞き取りが困難になるためです。

口の動きを見ようとしても、多人数だと常に正面を向いているわけじゃないから難しい。
筆談も誰にお願いするかって悩むし・・・。

かわちめ

もものすけ

声でも対角線上の人とか、横の人は分からないかなぁ。
あと、話が続いているのか終わったのかがわかりにくくて、自分の意見を言いにくい!
それ、すごいわかる。
僕の場合はそれに加えて、「もうすでに誰かが言っているかもしれない」って思って口に出せないこともあるね。

かわちめ

もものすけ

他にも、聞き洩らした所については打ち合わせが終わった後に発言者に確認しているよ。
参加しているときだけじゃなく、後から意識のすり合わせをすることも必要だね。
2人のまとめ
方法によらず全般的に、マンツーマンより聞き取りが難しい。
聞き取りにくいことが、自分の意見を言いづらいことにもつながっている。

メール・電話での連絡

重度の聴覚障害者は対面以外のやりとりではメールを主に使用しますが、健聴者に対しては電話のほうが便利という現状があります。

もものすけ

電話は社内へ自分からかけるとき以外は使わないようにしている。
でも、お客さんから急ぎの電話がかかってきたときは止む無くとるときがあるなぁ。
そういう時に相手の声が聞こえなくて、他の人に代わってもらうってトラブルもあった!
僕は電話に出ても100%聞こえないから、電話は絶対に出ない。
対面以外のやりとりは全部メールで済ませちゃう。

かわちめ

もものすけ

私もそうしたいんだけど、お願い事をするときは電話の方が早いんだよね。
あと、オジさんの中にはメールが好きじゃない・得意じゃないって人もいるよね。
そういう人は電話をかけてくることが多いから、低い音が聞き取りにくい私には大変・・・。
システム系の会社ってこともあって、僕の会社はそういう人はいないね。
急ぎのお願いとかは社内のチャット使ってる。

かわちめ

もものすけ

私そういうのない!
うらやましぃ~。
2人のまとめ
急ぎ場合はメールよりも電話の方が早いが、相手の声が聞こえないこともある。
IT系の会社以外にもチャットが導入されれば、聴覚障害者には便利。

顧客との打ち合わせ

社内と比較して関わりの薄い社外では、聴覚障害者のコミュニケーションはよりハードルが高くなります。自身の障害に対して周りの理解が薄く、普段通りのコミュニケーション方法を取ることができない場合があるためです。

僕はまだ下っ端だから、直接顧客と打ち合わせすることはあんまりないなぁ。
顧客への回答も、メールやファイルを上司経由で送ってる。

かわちめ

もものすけ

私は契約関係の仕事で結構あるよ。
顧客との打ち合わせでは企業の代表として出るから、いつも以上に緊張する!
顧客とのやり取りならではの不便なことって何かある?

かわちめ

もものすけ

プロジェクトで打ち合わせするときはお互いに人数が多いから、上記で挙げた多人数の問題が起こりやすいね。
あと、社内だと対面でできることも、社外では色々な手続きが必要なことかな。電話なら手っ取り早いんだけど、聞き取れないかもしれないって問題があるし・・・。
2人のまとめ
顧客とのコミュニケーションは、社内よりもはるかに大変。
社内と比較して柔軟性がないため、自身に合ったコミュニケーション方法を使用できるとは限らない。

(おまけ)飲み会でのコミュニケーション

慣れた社内でのコミュニケーションも、お酒が入るといつもと勝手が違ってきます。また、会場によっても別の問題がおこることがあります。

もものすけ

飲み会にはあんまり参加してない。
周りの声がどんどん大きくなって、最終的に何言ってるかわかんないし!
普段より聞き取りにくいのはわかるなぁ。
あと、筆談をお願いして楽しい場を白けさせないぁ・・・。って心配しちゃう。

かわちめ

もものすけ

みんな酔っぱらってるから、そんな細かいことは気にしないと思う。
聞こえなくても相手の表情にあわせて頷いとけば何とかなるって!
テキトーすぎない?

かわちめ

もものすけ

私が飲み会で学んだことは、相手の顔色に合わせて適当に相槌をうつことと、飲み会の上手な断り方だから。
笑える。

かわちめ

2人のまとめ
飲み会に誘った聴覚障害者は、実は話を全く聞いていないかも知れない・・・。

最後に

いかがだったでしょうか。
今回は5つの例を紹介しましたが、少しでも聴覚障害者が不便に感じていることについて理解・共感して頂ければと思います。
その他の事例についても、今後まとめていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

ありがとうございました。

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