3Dプリンターを使った内耳用注射針による治療ができるかも

NIDCDが資金提供した動物研究によると、コロンビア大学の科学者は、
他の方法よりも正確に蝸牛に薬剤を送達する、
3Dプリントされた固体マイクロニードルを開発しました。

この研究はまた、敏感な内耳構造への損傷を最小限に抑えることが
可能であることを示しています。
この研究はOtology&Neurotology(2015年4月)に掲載され、
Laryngoscope Investigative Otolaryngology(2019年12月)に掲載された
内耳への薬剤投与の課題に関するレビューで強調されました。

 

内耳の治療がより効果的に行える可能性

 

突発性難聴やメニエール病は内耳、蝸牛に起因する症状とされています。

今回開発された3Dプリンターで作られた内耳用の注射針は、従来の方法より、
性格に蝸牛に薬剤を送達させることができるものです。

内耳は外から見ることができず、壊れやすいために外科的な治療が難しいとされています。
そのため、これまでの薬剤は一般的な注射により血管を通して送達されています。

しかし、これでは必ずしも血液から内耳に到達するとは限りません。
また、薬の量を観察することも用意ではありません。
さらに、内耳の液体で満たされた部分に注射される薬は損傷を引き起こす可能性がありました。

今回の研究で用いられたマイクロニードルは蝸牛の基部の膜に小さな穴を開けます。
これにより膜を介して拡散される従来の方法よりもより良く、
蝸牛液に吸収されることが動物実験により示されました。

精度高く蝸牛内部に薬剤を届けることができる技術は今後の治療法に影響を与えるでしょう。

マイクロニードルは逆に損傷を引き起こさないの?

 

今回の研究で用いられたマイクロニードルははわずか太さ100μmの針になっています。
そのため蝸牛基部の膜にほとんど損傷を与えません。
この小さな穴は1日から2日程度で治癒を開始し、1週間で完全に治癒しました。
聴力も1日後には正常に戻ることが観察されました。

この研究ではコルチ器に損傷を与えることなく穿孔を作成することが可能になり、
そこから薬剤を効果的に注入することができることを実証しました。

それと同時にマイクロニードルを用いて聴覚および平衡障害のある患者から、
蝸牛液のサンプルを採取することも可能になります。
これにより、内耳の状態診断についてもより精度高く行うことが期待できます。

 

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