ヒアリングエイドアクセサリーで補聴器をもっとおしゃれにしたい!

みなさん、補聴器についてどんなイメージを持っていますか?

「耳が遠いお年寄りがつけるもの」
「補聴器を付けていると年寄に見える」など、
正直に言って良いイメージというよりはマイナスイメージがあると思います。

目が見えなくなることは自動車免許等で不便を感じますが、
耳が聞こえにくくなることはあまり重要度がわかりにくいかもしれません。

しかし、耳が聞こえにくい人と話すイメージをということは、
日々の生活がとても過ごしにくくなることです。

最近の研究では聴力低下により認知機能が低下することが知られてきました。
私達は耳が聞こえにくい当事者として、聞こえることの重要性を毎日感じています。

だからこそ、もっとたくさんの人に耳の大切さを多くの人に知ってもらい、
補聴器が必要な人にちゃんとした補聴器が届くような世界にしたいと思いました。

そこで、まず私達にできることを考えた結果、
「ヒアリングエイドアクセサリー」という新たなジャンルを切り開くことに決めました。

これにより、補聴器についてより多くの人に関心を持ってもらい、
すべての人がポジティブに補聴器を装用できる世界にしたいと願っています!

その前に…日本では補聴器が必要な人に普及していない!?

「そもそも、なんで補聴器のアクセサリーなの?」

こう疑問に思う方もいるかもしれません。
このアイデアに至るには実はみみなびとして2年という活動時間が必要でした。

私達は「働く聴覚障害者が生活がしやすい世の中にしたい」と考えて集まりました。

Oh!みみなびのようなWebでの情報発信や、聴覚障害に関わる専門家の方々との交流、
聴覚障害児の親御さんとの対話、地方の聴覚障害者コミュニティとの対話、
仕事や生活上での情報保障ツールの開発、テニスやボードゲーム、
ツーリングなどのサークル活動など様々な活動を草の根的にやってきました。

しかし、そもそも聴覚障害者は全国に30万人しかいません。
活動はとても有意義だと思いますが、社会を動かすような大きな力にはなりえませんでした。

そこで、より大きな視点で聴覚障害と聞こえについて考えることにしました。
まず、私達は日本の補聴器を取り巻く現状について分析をしました。

【解説】補聴器普及率はどれくらい?日本は先進国中最低レベル!

その結果、まず日本ではアメリカやヨーロッパの先進国と比較して、
補聴器の装用率(補聴器が必要な人が付けている割合)が低いことが分かりました。

原因としては「補聴器の販売価格が高い」「専門家不足による満足度の低さ」、
「マーケティング不足、市場の硬直化」が挙げられました。

実際に補聴器を利用している人の満足度はどの程度でしょうか。

日本補聴器工業会の調査では2018年の補聴器利用者の満足度は38%です。
これは、アメリカやヨーロッパ各国が70%〜80%であることから比較しても、
極めて低い満足度であると言えます。

また、補聴器を利用していない人に対して、
「補聴器をなぜ利用しないのか」を尋ねた調査によると、
「わずらわしい」と考えている人が42%、
「元の聞こえに戻らない」という人が39%、
「役に立たない」という人が26%
など必要性を認識していない理由が多く見られます。

つまり、日本では
「本当に補聴器が必要とされる人も補聴器を使っていないことが多い」
「補聴器を使っている人も満足度は諸外国と比較しても著しく低い」
「補聴器を使っていない人はメリットを認識していない」

という原因が補聴器の普及を長年妨げていることが分かりました。

補聴器をもっと楽しく魅力的に活用できる世界をつくる

その次に「どうしたらこのような課題を解決できるのか」検討しました。

みみなびのメンバーはシステムエンジニアが多かったこともあり、
自然にテクノロジーを使って問題解決をする方向を考えました。

生まれたのが「ウェアラブルデバイスを用いた災害時避難誘導サービス」です。

【告知】みみなびによるビジネスプランが「第10回大田区ビジネスプランコンテスト」大田区長賞・さわやか信用金庫をW受賞

 

こうしたサービスを作ろうと思ったきっかけは、
聴覚障害のある人が宿泊施設や商業施設で利用を断られたというニュースをみて、
解決できる問題だと考えたからです。

また、東日本大震災においても聴覚障害のある方の死亡率は高かったそうですが、
これも、高齢や聴覚の情報不足による逃げ遅れがあったのではないかと思ったからです。

高齢社会である日本で、聴覚障害者が公共施設等で介助なしに、
必要な情報を伝達するサービスが必要になると考えたのです。

結果的に、地元大田区のビジネスプランコンテストに応募し受賞しました。
しかし、誤算もありました。

サービス自体は聴覚障害者にはとても助かるのですが、
導入する施設の設備や費用、技術的なサポート不足などにハードルがありました。

ユーザーには便利なツールであっても、導入するには非常に時間がかかり、
設備投資が必要になるため、導入する側は必ずしも積極的になりにくいのです。

こうした課題はタイミング等、機が熟さなければ積極的には解決されにくいです。
少数派の声となりがちな障害者福祉分野ではこうした状況が多く見られます。
しかし、そこで立ち止まってはいけない。

まずは、今の私達にできることを実行しようと考え、
原点に立ち返り、改めて実現可能で解決できる課題を再度検討することにしました。

「聞こえにくいということで老いを感じる」
「補聴器を付けているとすこし恥ずかしく感じる」
「補聴器の電池交換が上手くできない」
「通販で購入した補聴器が使い物にならない」

利用者へのヒアリングや実際に足を運んで観察をさせてもらったところ、
多くの悩みは「老い」を始めとしたマイナスのイメージにありました。

当然悩みを抱えているのは若者ではなく比較的ご高齢の方たちでした。

そこで私達は何度も議論を行いながら、
「補聴器をポジティブに装用できるものにする」
というイメージを膨らませていきました。

ヒアリングエイドアクセサリーというコンセプト

メガネは数十年前まで「ガリ勉」や「まじめくん」のイメージだったと思います。

しかし今やメガネは手頃な価格で手に入れられる、おしゃれアイテムになったように、
補聴器も親しみやすいアクセサリーになりうるのではないかと考えました。

そしてこれから活躍する子どもたちも、
聴覚障害のある子どもたちが生き生きと補聴器を使って、
遊んだり、勉強したりできるような毎日にしたいのです。

そこで「ヒアリングエイドアクセサリー」というコンセプトを打ち立てました。

補聴器をもっとおしゃれに、もっと可愛く、もっと楽しく、
もっと自然に、もっといつも、毎日に彩りを与えられる役割になるように、
耳掛け型補聴器に簡単に取り付けられるアクセサリーを作成しました。

まずは、女性をターゲットにしたアクセサリーです。

チェコやドイツのビーズを使ったり、光沢感のある高級素材を使うなど、
自分らしく、ずっと長く使えるアクセサリーを目指しています。

補聴器を付けていることで、自分が毎日をワクワクしながら過ごせるように、
子供が憧れや注目の的になるように願いを込めて。

そして、私達は聴覚障害のあるユーザーだからこそ、
補聴器を毎日使うことがどれだけ有用で、役立つか知っています。

聴覚障害者がつけることの多い耳掛け型の補聴器のチューブを傷めないように、
そして摩擦音が出ないように、実用的な形を考え、
いろいろな材料を検討してようやくこの形にたどり着きました。

実際に耳掛け型補聴器を使う女性に使ってもらいました!

「ピアスより重さが気にならない!」

私達は普段から補聴器を体の一部として使っていますが、手を加えることはありません。
毎日補聴器を使っているからこそ、何かを付けた時どうなるかとても不安でした。

しかし、実際に付けてみると耳掛け型補聴器にしっくりとくるアクセサリーになりました。
また、イヤリングやピアスと比べても耳掛け型補聴器が耳に掛かっていることで、
アクセサリー自体の重さが分散するため軽く感じるという発見もありました。

また「宝石がついているような補聴器アクセサリーがほしい」という声もありました。

実際につくり、実際に利用してもらうことでこの補聴器アクセサリーは、
間違いなく補聴器を利用している人の心を晴れやかにしてくれると感じました。

そして、何より補聴器に興味がなかった人や補聴器にマイナスイメージを持っていた人が、
「あ、あれかわいい!」と思い振り向いてくれる魅力があります。

ヒアリングエイドアクセサリーからみみなびが目指す場所

私達はこれを単なる思いつきで作った「飾り」としては考えていません。

補聴器がより多くの人に届くよう、これから沢山の人を巻き込みながら、
このコンセプトをより多くの人に広げていきたいと考えています。

そして、日本でも自分にあった補聴器を必要な人が全員装用できるようにしたいのです。

「素敵な補聴器だから私も付けてみたい」

そう思っていただけるようなものにするべく、より魅力的なアイデアを取り込み、
すてきなアクセサリーとして補聴器をつける世界を描いています。

シンプルなアイデアからなるアクセサリーですが、
補聴器の機能を阻害しないよう工夫をしてアクセサリーを取り付けています。

この方法はとても簡単なアイデアですがとても有効だったため、
ひとつの発明として特許出願をすることにしました。

ひとつのアイデアから、聞こえについて、もっと大きく世界を変えるために、
これからも沢山の人の力を借りながら前進して参ります!

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